エンパワーメント
2006年 07月 02日
本当に久しぶりのご褒美でした。
昨日は、岩波ホールへ映画を観に行って来ました。誕生日を迎えたら、真っ先にこの映画を観に行こうと決めていた『母たちの村』というフランスとセネガルの合作映画です。アフリカ映画の父と謳われ、あらゆる権力と闘い、勝ち抜いてきた巨匠ウスマン・センベーヌ監督の作品で、いわゆるアフリカのFGM(女性性器切除)問題を扱い、第57回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリを始め、数々の賞を総なめにして来た話題作です。大変に重い内容を扱っているにも関わらず、悲壮感などを一切感じさせない見事な脚色に、思わずエンドロールで一人だけスタンディングオベーションをしてしまいそうになりました!
どこまでも冴え渡る青い空。女性達の色とりどりの原色のターバン。そしてアフリカの母達の明るさ、逞しさ、力強い陽気な歌声……一人の母親の勇気が燎原の火の如く、村の女達の心を変えて行く物語です。
アフリカのイスラム諸国では、未だに広い範囲で中世を思わせる蛮行、いわゆる「女子割礼」が執り行われており、年間二百万人もの少女達がこの意味のない習慣のために犠牲になっていると言われています。私がこの衝撃の事実を知ったのは数年前。ある一人のスーパーモデルのドキュメンタリー番組を通してでした。ソマリア出身のスーパーモデル「ワリス・ディリー」が、国連の特別大使として自らの忌まわしい体験を語ったそのドキュメンタリーを観た時、余りの衝撃に、今の今まで何も知らずにのほほんと暮らして来た自分が恥ずかしくなり、翌日速攻、彼女の著書『砂漠の女ディリー』(草思社刊)を買いに、書店へ駆け込んだのを覚えています。「世界にはまだまだ、こうした知らなくてはならないことがたくさんあったんだ!」――その後、続編『ディリー、砂漠に帰る』も刊行され、またたく間にFGM廃絶運動が世界に広がって行きました。まさに、一人の勇気ある女性の声が、世界を動かしたのです。
事実、私自身もどれほどの勇気をもらったことでしょう。たとえ、テレビや本の中での出逢いだったとしても、このワリスとの“出逢い”は私の人生を根こそぎ変えるほどのインパクトがありました。いま同じ女性として、この私にも何かできることがないだろうかと、良質のエンパワーメントを模索する日々です。
この映画のラストには、エンドロールと共にこんな女性賛歌が流れます。
「女性はすばらしい。だからこう言いたい。女の子が生まれたら、ぜひ教育を与えなさい。立派な花嫁になるために、ぜひ学校にやりなさい。」――そうなのです。本物の女性教育、本物の女性の連帯こそが、確実に世界を結び、世界を平和へと導いて行く最良かつ最速の手段なのかも知れません。一人の勇気が世界を変えて行く――昨日はとても大切なことを学んで来れたように思います。
もっともっとチカラを付けたい!映画館を出た私は、居ても立ってもいられなくなり、そのまま大型書店へ――。抱えきれないほど本を買い込んで来た中に、どうしても今日中に手に入れたいと思っていた1冊がありました。株式会社エアトランセ代表取締役社長、江村林香さんの著書『まずは小さな世界で1番になる』です。実は先日、ある新聞に掲載されていた彼女のインタビュー記事を読んで以来、すっかり彼女のファンになってしまったのです。
江村さんは、日本初の女性航空会社の社長さん。北海道を拠点に大手企業に対するニッチの発想で勝負を懸けて、道内きってのエアバスを運行しているコミューター航空会社を経営されている女性です。何と、40歳までには年商1000億(!)の企業グループに成長させたいのだとか。
「“自分がいいな”と思ったことを人に伝えて来ただけです。それがサービスの極意でしょうか。常に“顧客の視点”、“私自身が客になりたいかどうか”を基準に考えてきました」と語られる江村さんに、大変好感を抱き、共感を覚えました。
更に「鶏口となるも牛後となるなかれ」(大きな集団の中で人の尻に付き従うよりも、小さな集団で長になる方がいい)との江村さんの成功哲学にも、心底惚れ込んでしまいました。江村さんは、私の中で「今、どうしてもお逢いしたい女性ベスト3」のうちのお一人なんです。いつの日か、サクセスウーマン講座のゲストにもお呼びできたらいいな……などと無謀な野望も抱いております(笑)。
江村さんは、こうもおっしゃっています。「“自信”とは、“自”分の可能性を“信”じるということ。そのためには、まず「1番」になることです。しかもすぐ手が届く目標で1番になる。例えば掃除で「1番」になる。「1番」に会社に来る。そんなちょっとしたことが大事なんです」と。何てカッコいいハンサムウーマンなのでしょう!
嗚呼!いい映画、いい本に出逢えた後って何て幸せなんでしょう!仕事を頑張った後の“一杯”ならぬ、“一本(の映画)”と“一冊(の読書)”はたまりませんね(笑)。今日から7月。暫くの間は、この「充電期間」を楽しみたいと思います。最近めっきり疎かになってしまった「読書の時間」を取り戻し、自分の中の引き出しを増やさなくっちゃ。アフリカの母達からもらった勇気を、今度は何に還元できるかはわかりませんが、今月もたくさんの方々にお逢いしながら、一人でも多くの女性に喜んでいただけるイベントを仕掛けていきたいと願っています。
P.S. お知らせです。
AllAboutの中瀬記者が、さっそく先日のサクセスウーマン講座の模様をレポートして下さっています。ご興味のある方は、是非コチラをご覧下さい。
昨日は、岩波ホールへ映画を観に行って来ました。誕生日を迎えたら、真っ先にこの映画を観に行こうと決めていた『母たちの村』というフランスとセネガルの合作映画です。アフリカ映画の父と謳われ、あらゆる権力と闘い、勝ち抜いてきた巨匠ウスマン・センベーヌ監督の作品で、いわゆるアフリカのFGM(女性性器切除)問題を扱い、第57回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリを始め、数々の賞を総なめにして来た話題作です。大変に重い内容を扱っているにも関わらず、悲壮感などを一切感じさせない見事な脚色に、思わずエンドロールで一人だけスタンディングオベーションをしてしまいそうになりました!
どこまでも冴え渡る青い空。女性達の色とりどりの原色のターバン。そしてアフリカの母達の明るさ、逞しさ、力強い陽気な歌声……一人の母親の勇気が燎原の火の如く、村の女達の心を変えて行く物語です。
アフリカのイスラム諸国では、未だに広い範囲で中世を思わせる蛮行、いわゆる「女子割礼」が執り行われており、年間二百万人もの少女達がこの意味のない習慣のために犠牲になっていると言われています。私がこの衝撃の事実を知ったのは数年前。ある一人のスーパーモデルのドキュメンタリー番組を通してでした。ソマリア出身のスーパーモデル「ワリス・ディリー」が、国連の特別大使として自らの忌まわしい体験を語ったそのドキュメンタリーを観た時、余りの衝撃に、今の今まで何も知らずにのほほんと暮らして来た自分が恥ずかしくなり、翌日速攻、彼女の著書『砂漠の女ディリー』(草思社刊)を買いに、書店へ駆け込んだのを覚えています。「世界にはまだまだ、こうした知らなくてはならないことがたくさんあったんだ!」――その後、続編『ディリー、砂漠に帰る』も刊行され、またたく間にFGM廃絶運動が世界に広がって行きました。まさに、一人の勇気ある女性の声が、世界を動かしたのです。
事実、私自身もどれほどの勇気をもらったことでしょう。たとえ、テレビや本の中での出逢いだったとしても、このワリスとの“出逢い”は私の人生を根こそぎ変えるほどのインパクトがありました。いま同じ女性として、この私にも何かできることがないだろうかと、良質のエンパワーメントを模索する日々です。
この映画のラストには、エンドロールと共にこんな女性賛歌が流れます。
「女性はすばらしい。だからこう言いたい。女の子が生まれたら、ぜひ教育を与えなさい。立派な花嫁になるために、ぜひ学校にやりなさい。」――そうなのです。本物の女性教育、本物の女性の連帯こそが、確実に世界を結び、世界を平和へと導いて行く最良かつ最速の手段なのかも知れません。一人の勇気が世界を変えて行く――昨日はとても大切なことを学んで来れたように思います。
もっともっとチカラを付けたい!映画館を出た私は、居ても立ってもいられなくなり、そのまま大型書店へ――。抱えきれないほど本を買い込んで来た中に、どうしても今日中に手に入れたいと思っていた1冊がありました。株式会社エアトランセ代表取締役社長、江村林香さんの著書『まずは小さな世界で1番になる』です。実は先日、ある新聞に掲載されていた彼女のインタビュー記事を読んで以来、すっかり彼女のファンになってしまったのです。
江村さんは、日本初の女性航空会社の社長さん。北海道を拠点に大手企業に対するニッチの発想で勝負を懸けて、道内きってのエアバスを運行しているコミューター航空会社を経営されている女性です。何と、40歳までには年商1000億(!)の企業グループに成長させたいのだとか。
「“自分がいいな”と思ったことを人に伝えて来ただけです。それがサービスの極意でしょうか。常に“顧客の視点”、“私自身が客になりたいかどうか”を基準に考えてきました」と語られる江村さんに、大変好感を抱き、共感を覚えました。
更に「鶏口となるも牛後となるなかれ」(大きな集団の中で人の尻に付き従うよりも、小さな集団で長になる方がいい)との江村さんの成功哲学にも、心底惚れ込んでしまいました。江村さんは、私の中で「今、どうしてもお逢いしたい女性ベスト3」のうちのお一人なんです。いつの日か、サクセスウーマン講座のゲストにもお呼びできたらいいな……などと無謀な野望も抱いております(笑)。
江村さんは、こうもおっしゃっています。「“自信”とは、“自”分の可能性を“信”じるということ。そのためには、まず「1番」になることです。しかもすぐ手が届く目標で1番になる。例えば掃除で「1番」になる。「1番」に会社に来る。そんなちょっとしたことが大事なんです」と。何てカッコいいハンサムウーマンなのでしょう!
P.S. お知らせです。
AllAboutの中瀬記者が、さっそく先日のサクセスウーマン講座の模様をレポートして下さっています。ご興味のある方は、是非コチラをご覧下さい。
by musenet
| 2006-07-02 02:31
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