東京タワーと恋のはなし
2005年 01月 24日
きょう、映画『東京タワー』を観てきました。
まるで、ヨーロッパの美術館で印象派の絵画を観てきたような、そんな贅沢な
印象――。しかも、物語全体を優しく包み込んでいたのは、あのラフマニノフの音楽。その余りにもせつないピアノの旋律は、いつしか主人公・透の息づかいと重なって、彼自身こそが“音楽”そのものに見えるのでした。
今回は珍しく、原作を読んでから映画館に足を運んだせいか、鑑賞前から必要以上に思い入れの深かったこの作品――。
いわゆる20歳も年の開きのある美しい人妻(黒木瞳)と、大学生(岡田准一)との恋を描いた「不倫」がテーマなのですが、いやらしさなどを一切感じることのない、それはそれは美しい映像に仕上がっていました。
上質の詩集をささやいているかのように、静かに紡ぎ継がれていく透と詩史の台詞のやりとり――。グレアム・グリーンの小説や、ラフマニノフのピアノ曲など、詩史が教えてくれた美しいものたちに囲まれながら、透はひとり東京タワーのみえる窓辺で、彼女からの電話を待ち続けているのです。青白い月の光のような印象を放った彼の知性やその佇まいに、詩史ならずとも心を奪われる思いがしました。
好きな人の読んだ本を読み、好きな人の聴いた音楽を聴きたい――そう素直に思えるまっすぐな恋って、やっぱりいいなぁと思います。逢いたくても逢えない二人をつなぐものが、美しい小説やラフマニノフの音楽だなんて……なんてクラシカルな“大人の恋”なんだろう。
余りにも現実離れしたリアル感のない台詞や妙に不自然な場面設定も多かったけれど、“大人のためのファンタジー”としては、見応え十分の2時間でした。
そういえば私も、今まで好きになった人って、なぜか「年下」が多かったっけ。
なんだか急に、ラフマニノフやドビュッシーが聴きたくなってしまいました。
まるで、ヨーロッパの美術館で印象派の絵画を観てきたような、そんな贅沢な
印象――。しかも、物語全体を優しく包み込んでいたのは、あのラフマニノフの音楽。その余りにもせつないピアノの旋律は、いつしか主人公・透の息づかいと重なって、彼自身こそが“音楽”そのものに見えるのでした。
今回は珍しく、原作を読んでから映画館に足を運んだせいか、鑑賞前から必要以上に思い入れの深かったこの作品――。
いわゆる20歳も年の開きのある美しい人妻(黒木瞳)と、大学生(岡田准一)との恋を描いた「不倫」がテーマなのですが、いやらしさなどを一切感じることのない、それはそれは美しい映像に仕上がっていました。
好きな人の読んだ本を読み、好きな人の聴いた音楽を聴きたい――そう素直に思えるまっすぐな恋って、やっぱりいいなぁと思います。逢いたくても逢えない二人をつなぐものが、美しい小説やラフマニノフの音楽だなんて……なんてクラシカルな“大人の恋”なんだろう。
余りにも現実離れしたリアル感のない台詞や妙に不自然な場面設定も多かったけれど、“大人のためのファンタジー”としては、見応え十分の2時間でした。
そういえば私も、今まで好きになった人って、なぜか「年下」が多かったっけ。
なんだか急に、ラフマニノフやドビュッシーが聴きたくなってしまいました。
by musenet
| 2005-01-24 23:19
| Movie