ミルコのひかり
2007年 09月 17日
HOPE――。
「希望」を胸いっぱいに吸い込みたくなった時、決まって観たくなる映画があります。それは『ショーシャンクの空に』。二十代の頃から年間百本の映画を観ることを自身に課して来た私にとって、未だに不動のNo.1がこの映画です。一度観た映画は滅多に繰り返して観ることがありませんが、この映画だけは特別で、かれこれ数十回は観ているでしょうか。その他にも、「希望」を即座に摂取したい時には、こんな“サプリメントMOVIE”がお薦めです。『ホセ・リサール』とか『ザ・ハリケーン』とか『アポロ13』とか『サラフィナ』とか。そしてつい先日も、また新たな一本が私の「希望のリスト」に殿堂入りを果たしました。現在渋谷で公開中のイタリア映画『ミルコのひかり』。この日は午後のMTGの前に、寝不足を押して朝イチで映画館へ。私の“映画鑑賞三大美学”については、コチラの過去ログをどうぞ。
『ミルコのひかり』は、不慮の事故で視力を失った映画好きの少年の、奇跡の再生物語。現在、イタリア映画界の第一線で活躍しているサウンドデザイナー、ミルコ・メンカッチ氏の少年時代の実話だそうです。
まさに、Fact is stranger than fiction――私はミルコから、「良質の出逢い」が人生を変え、「希望」こそが人生を切りひらく源泉なのだと教えられました。
自分の才能をいち早く見出してくれた恩師との出逢い。たとえミルコが目が見えないとわかっていても、彼の人間性に惹かれ、音の世界に魅せられていく少女。転校生のミルコに影響を受け、共に音を作るという楽しみに目覚めていく盲学校の少年達。そして、変わらずに降り注がれる両親の愛情。物語は一貫して“人の出逢い”に焦点が置かれ、心と心の交流がそれは丁寧に描かれています。
そしてそれを彩っているのは、子ども達のイマジネーションに富んだ音の世界。プロの音響技師顔負けの創意工夫で、雨音や、蜂の羽音、木々のざわめきなどを次々にテープレコーダーに録音していくシーンは圧巻です。思わず私自身も目を閉じ、暗闇の中で「耳」だけで映画を観るシーンが何度もありました。
そう言えば私自身も幼い頃、弟と二人で色々な音をカセットテープに納め、何種類もの声色を使っては物語を録音していたっけ。そして両親の誕生日になると、障子の向こう側からライトを当て、即席の芝居小屋を作り、得意げになって「影絵劇」を披露したものでした。――そんな記憶と相まってか、映画を観ていたら涙が後から後からあふれて止まりませんでした。亡き父を想い、そしてどんな時でも私の夢を一番に応援してくれていた優しい母を想い出して。ミルコは私自身でもあったのかも知れません。
「希望」を決して手放さない――。これはなかなか勇気の要ることです。でも、自分を自分であきらめない限り、夢はきっと次の扉を開けて待ってくれているはず。自分に才能があるかどうかなんてわかりません。でも、私には私にしかできないことがきっとある。私だからこそできることがきっとある。いつもそう信じて前に進んで来ました。そしてまた、そんな私を信じ、待ってくれている人達がいるのです。その人達のことを思うと、希望がカラダの中を吹き渡って行きます。
いつもクリエーター仲間に宣言していることがあります。それは「信頼を決して裏切らない。でも、期待はプラスの方向にどんどん裏切ってみせるからね」――。
いい映画は私にとって、かけがえのないメンターです。
「希望」を胸いっぱいに吸い込みたくなった時、決まって観たくなる映画があります。それは『ショーシャンクの空に』。二十代の頃から年間百本の映画を観ることを自身に課して来た私にとって、未だに不動のNo.1がこの映画です。一度観た映画は滅多に繰り返して観ることがありませんが、この映画だけは特別で、かれこれ数十回は観ているでしょうか。その他にも、「希望」を即座に摂取したい時には、こんな“サプリメントMOVIE”がお薦めです。『ホセ・リサール』とか『ザ・ハリケーン』とか『アポロ13』とか『サラフィナ』とか。そしてつい先日も、また新たな一本が私の「希望のリスト」に殿堂入りを果たしました。現在渋谷で公開中のイタリア映画『ミルコのひかり』。この日は午後のMTGの前に、寝不足を押して朝イチで映画館へ。私の“映画鑑賞三大美学”については、コチラの過去ログをどうぞ。
『ミルコのひかり』は、不慮の事故で視力を失った映画好きの少年の、奇跡の再生物語。現在、イタリア映画界の第一線で活躍しているサウンドデザイナー、ミルコ・メンカッチ氏の少年時代の実話だそうです。
まさに、Fact is stranger than fiction――私はミルコから、「良質の出逢い」が人生を変え、「希望」こそが人生を切りひらく源泉なのだと教えられました。
自分の才能をいち早く見出してくれた恩師との出逢い。たとえミルコが目が見えないとわかっていても、彼の人間性に惹かれ、音の世界に魅せられていく少女。転校生のミルコに影響を受け、共に音を作るという楽しみに目覚めていく盲学校の少年達。そして、変わらずに降り注がれる両親の愛情。物語は一貫して“人の出逢い”に焦点が置かれ、心と心の交流がそれは丁寧に描かれています。
そしてそれを彩っているのは、子ども達のイマジネーションに富んだ音の世界。プロの音響技師顔負けの創意工夫で、雨音や、蜂の羽音、木々のざわめきなどを次々にテープレコーダーに録音していくシーンは圧巻です。思わず私自身も目を閉じ、暗闇の中で「耳」だけで映画を観るシーンが何度もありました。
そう言えば私自身も幼い頃、弟と二人で色々な音をカセットテープに納め、何種類もの声色を使っては物語を録音していたっけ。そして両親の誕生日になると、障子の向こう側からライトを当て、即席の芝居小屋を作り、得意げになって「影絵劇」を披露したものでした。――そんな記憶と相まってか、映画を観ていたら涙が後から後からあふれて止まりませんでした。亡き父を想い、そしてどんな時でも私の夢を一番に応援してくれていた優しい母を想い出して。ミルコは私自身でもあったのかも知れません。
「希望」を決して手放さない――。これはなかなか勇気の要ることです。でも、自分を自分であきらめない限り、夢はきっと次の扉を開けて待ってくれているはず。自分に才能があるかどうかなんてわかりません。でも、私には私にしかできないことがきっとある。私だからこそできることがきっとある。いつもそう信じて前に進んで来ました。そしてまた、そんな私を信じ、待ってくれている人達がいるのです。その人達のことを思うと、希望がカラダの中を吹き渡って行きます。
いつもクリエーター仲間に宣言していることがあります。それは「信頼を決して裏切らない。でも、期待はプラスの方向にどんどん裏切ってみせるからね」――。
いい映画は私にとって、かけがえのないメンターです。
by musenet
| 2007-09-17 01:50
| Movie